平成25年2月15日

中 尾   薫

[ 険しい道のりを行く ]

 兵庫県歯科医師会も、 平成25年4月から一般社団法人に移行する。政府の法人改革の一環として必要な道のりであるが、当然今までの社団法人時代と異なる点も多い。

 その最たるものは、歯科医師会そのものが「公益に資する組織」として位置づけられることである。 公益性は従来から歯科医師会の主たる目的であったが、その反面、会員のための活動が制約される。 財産管理についても従来と異なる点が多い。

 中でも、会長選挙は大きく変化する。法的拘束のない会員意識調査(会長予備選挙)をまず行い、最終的に6月の代議員会(現状の代議員メンバー)において新法法人として法的根拠がある理事選挙を行う。現代議員会メンバーで定数分の理事を選出し、その理事者の互選により新会長を選定するという流れになる。紳士協定により会長意識調査(予備選挙)の結果を遵守することが考えられるが、代議員会で意識調査トップのものが必ず会長(代表理事)に選ばれるとは限らない。さらに、すべての会員は一定数の代議員の推薦があれば理事選立候補が可能なので、全会員が理事に立候補可能である。このように会長選出が行われることとなるが、理事選内規・細則の取り扱いによっては、予期せぬ理事者が当選する可能性もあり、執行の混乱が生ずる可能性が残る。

 総会が無くなり、最高議決機関として代議員会の権限が強まり、執行において代議員により理事会が監視されることになる。盤石な執行部が実現しないと極めて歪な理事会・代議員会運営を余儀なくされることもありうる。

 一般社団法人移行期の今回の会長選出において、私自身の行動を決定する根拠は、「兵歯の安定」を目指した会員全体の協力に基づく民主制の確立である。これを会務執行の基礎とし、会員のすべての英知を総動員した全県下合意の執行部を誕生させることにある。 兵歯の未来のために、民主的に意見交換を行うことが重要であり、此の度の予備選挙の意味は会員にとって極めて重要なものと考えている。予備選挙は会長に相応しい人を会員が直接選ぶことができる唯一の機会である。

[ 思いは一つ ]

 斬新なアイデアは、時として連綿と守られてきた公益に資する学術団体としての「兵庫県歯科医師会の基盤を揺るがす危険性を併せ持つ。今一度、 組織の根底を固めたうえでの、過去にとらわれない施策の執行が不可欠である。

 新生兵歯は、民主的な歯科医師会を守るためにあえて会長予備選挙という会員に直接問う形をとるが、次期執行部は様々な対立を超えた会員の英知を結集した組織であることが求められる。
兵歯の未来のために、民主的に意見交換を行うことは重要である。

 今、何をすべきかをしっかり意見を戦わせたうえで、全会員の意思を確認し、その後、県下が一つになる執行部の実現が急務だ。

 今必要なのは、会員全員の力を一つにできる執行部の実現である。